「恥」のレベルは、死に最も近いものです。なぜなら、恥があるからこそ意識的に自殺がえらばれるか、あるいはもっと微妙なことではありますが、人生を維持していこうとする手段を選択しないからです。
このレベルでは、避けられたはずの事故死がよくあります。私たちは皆「面目を失うこと」、つまり信用をなくすことや、「失脚」の苦しみについて、何らかの形で知っています。
恥をかくと、人の目につかないようにと祈りながら、頭をたれてそっと遠くへ去るでしょう。歴史的に見ても「追放」は、恥に付随しているものです。原始社会において追放は、死ぬことと同じだったのです。
性的虐待によって人生の早い時期から「恥」の意識が植え付けられると、心理的セラピーによって解決されない限り、生涯にわたって性格は歪んだままです。
--- 中略 --− また、「恥」に基づいている人は、完全主義者で偏狭な性質を持っているので、カッとなりやすく、また我慢することができません。
--− 中略 −--「恥」は性格全体のレベルを引き下げることから、恥だけではなく、ほかのネガティブな感情によって傷つけられやすい結果を招くので、愚かな自負心や怒り、罪の意識をしばしば起こさせます。